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 富山県芸術文化協会創立50年・『藝文とやま』第50号記念
「とやまを描くエッセイ」選考結果



 芸文協創立50年、機関誌『藝文とやま』第50号(令和4年3月発刊予定)を記念し、全国の方々から「とやまを描くエッセイ」を募集しましたところ、総数57作品(うち23作品が県外在住の方)のご応募をいただきました。ありがとうございました。
 ご応募いただいた中より、受賞作品(最優秀賞1作品、優秀賞4作品)と一次選考通過作品(5作品)を以下のリンクよりご覧いただけます。
 素晴らしいエッセイ・紀行文にふれ、とやまの新しい魅力や価値を発見し、コロナ禍収束の際には、多くの方が魅力にふれていただくことを期待します。
 なお、受賞作5作品については、『藝文とやま』第50号に掲載されます。ご購入(一冊税込み1,000円)をご希望の方は(一社)富山県芸術文化協会事務局(℡076-441-8635(内線123))までお問合せ下さい。




本木氏総評
立山連峰や知られざる歴史探索、越中売薬に海の幸など、第一次選考に残った作品はどれも富山を象徴する主題と作者の関係、視点が明確に示され、あたかも映画の一場面を見るように新鮮な感動を覚えるものばかりでした。甲乙つけ難いなかから、人物描写が優れたものを敢えて選びました。


『昭和と平成の薬売り』  大石 さち子(神奈川県)
刺激的な書き出しから富山出身の同僚男性社員の野心を越中売薬の記憶に重ねてありありと浮かび上がらせ、日本の組織に生きる自身の人生と照らし合わせていく運びに惹きつけられました。荒々しさもある文章から想像力をかき立てられます。特に「彼」の気質は、富山で生まれ育った私にとって「こんな人いるな」と思わせる見事な描き方でした。


『最後の「草刈り十字軍」での出会い』  高木 勇(兵庫県)
リタイア後の人生に光を見るような爽快な読後感。淡々とした筆致ながら多様な世代の個性的な参加者との出会いによって過去を率直に見直し、未来を静かに見据える作者の心境が伝わってきます。かつて映画化もされた「草刈り十字軍」の実態も具体的にわかって興味深く読みました。


『富山駅前シネマ食堂街』  加藤 雄三(神奈川県)
優れたグルメエッセイとも言えます。仕事でたまたま訪れた富山の飲食街の素っ気ない店の主人とのやり取りと、出される酒と肴の丁寧な描写が、失われゆく風景とともにしみじみと胸に沁みてきます。セリフもうまく、読んでいて唾液が出てきました。


『獅子舞に息づくご先祖様の鼓動』  小西 豊(東京都)
あるきっかけにより自分の名前の起源を魚津に見出し、さらに自身に息づく才を当地の獅子舞に見出していく展開がドラマチックでした。構成もうまく一気に読ませます。


『前略 立山連峰殿』  小林 潤子(富山県)
愛する人を失ったどうしようもない喪失感を神々しい立山に吐露する手紙形式のエッセイに涙が出ました。富山に住むものならではの心の変遷に深く共感できます。

《1次選考通過作品》
『あこがれはまだ遠く』 西荻 麦(京都府)
『我が家の富山』 中瀬 清(北海道)
『日本一ドキューンな山』 西村 悦子(福岡県)
『大谷さん流「お金の使い方」~娘が見た富山スピリッツ~』 奥原 十三(富山県)
『I love高岡 I love富山』 加能 由美子(富山県)




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《とやまを知る》